カテゴリマーク韓国人研究者フォーラムからの「お知らせ」20150815号

皆様

異常な猛暑日の続く中戦後70年目の8月15日が明けました。今年は安倍首相の「戦後70年談話」がどのような内容になるかということで特に待ち遠しかったのではないしょうか。いざ発表された首相談話は、個人的信条、支持勢力の要請、内外の注文と警戒への配慮が複雑に入り乱れる中でも、しっかり計算された巧妙に難解な内容の文書である印象です。どの言葉がどのような文脈で使われているのかを含めて、本談話をどのように読むかによって見方がかなり別れ得るのではないでしょうか。『21世紀構想懇談会』の報告書とあわせて読むと、韓国(政府)に対してある種の戦略的選択を迫るメッセジーが込められているようにも見受けられます。何よりも日露戦争についての評価、そして、明治維新以後脈々と民主主義が発展した中で1930年から一時期「世界の大勢」を見失ったといった歴史観が今後日本国民の間でどのように受け止められていくのか注目したいところです。幸い作られつつあった北東アジアにおける和解ムードに決定的な反転はなさそうですが、玄界灘の波高の沈静化はまだまだ道半ばのようです。

 

本フォーラムは今後も日韓の狭間で活動している韓国人「研究者」グループとしてやるべき(やれる)ことを粛々とやっていきたく存じますのでどうかご支援のほど引き続きよろしくお願い申し上げます。

いくつかお知らせいたします。

 

1.第42回定例研究会開催のご報告

7月18日午後3時から、法政大学市ヶ谷キャンパス外濠校舎S404号室で、いわゆる「本名強要裁判」について座談会が開かれました。当日は本事件が在日同胞社会と日本社会にもつ(ち得る)意義について、パネリストの方々から多様で貴重なお話がありました。館田教授から憲法上の法理からすれば出るべくして出た判決ではないかとの指摘がありましたが、果たして裁判所が本題の有する歴史構造性についてどれくらい思いを走らせたのだろうかについて疑問が提示されました。その中でも、尹照子さんが、日本全体の労働環境の悪化していく中で、そもそも被告が本件の原因事実を作った時のターゲットが弱い立場の民族的少数者である在日であった点をしっかり押さえるべきであると発言した時には自ずと頷いたものです。本判決はまだ第1審の段階で9月2日から控訴審の公判が始まりますので今後の裁判の行方をしっかり見つめながら、本件の意義について多面的に、そして、より深く詮索して参る所存でございます。

 

本座談会を見て(聞いて)、一部の在日と韓国のマスコミが本裁判に関心を示してくれましたので以下ご紹介申し上げます。

統一日報 http://news.onekoreanews.net/detail.php?number=79142&thread=04

韓国連合ニュース 8月5日記事

http://www.yonhapnews.co.kr/bulletin/2015/08/04/0200000000
AKR20150804084000371.HTML?from=search

韓国中央日報グローバルアイの特派員コラム

 http://article.joins.com/news/article/article.asp?total_id=18410089&ctg=20

 

戦後70年目を迎えた今日においても日本社会に重くのしかかっていることが内外(国)人の間の「法の壁、心の溝」(田中 宏)であり、現在多文化共生社会のスローガンが掛け声倒れ状態であることはある意味では当然の帰結であるかと存じます。戦後100年に向け、日本社会が「内と外の溝」を埋めながら、邦人/異邦人の(区(差))別なく、創意性に満ちた真の豊かな社会になっていくためにも、今回の事件が有する意味をしっかり考える必要があると思っております。

 

2.今後の本フォーラムの日程のご案内

第43回定例研究会

日時:2015.10.4()15:00 ~ 18:30 (日曜日であること留意願います)

場所:法政大学市ヶ谷キャンパス(詳細未定)

テーマ : 「在日コリアンをめぐる法律問題」

報告者: 金彦叔准教授(文京学院大学、国際私法専攻):「在日コリアンの相続問題に関する一考察」

 

    李春熙弁護士 テーマ未定

 

国際シンポジウム:「東アジアにおける大学ランキング、国際化及び高等教育」の開催

本フォーラムと国際基督教大学の教育研究所 (IERS)との共催で11月14日国際基督教大学にて
「東アジアにおける大学ランキング、国際化及び高等教育」についての国際シンポジウムを開催いたします。

http://ksfj.jp/information/other/20150715/4165.html

 

第44回定例研究会

『天皇の韓国併合ー王公族の創設と帝国の葛藤』(法政大学出版局 、2011年)、『朝鮮王公族ー帝国日本の準皇族』(中公新書、2015年)の著者である新城道彦准教授(フェリス女学院大学)をお招きして、韓国合併の過程で朝鮮皇室がいかに取り扱われたのかという「おかしくて悲しい」歴史を振り返ることによって、「韓国人」研究者フォーラムとして戦後70周年/日韓国交正常化50周年を締めくくりたく存じます。

なお、忘年会を兼ねますのでどうか振るってご参加願います。

 

 

3.新規研究者名簿登録

下記の方を新たに研究者名簿に登載いたしました。

李尚珍 이상진  LEE, Sangjin、山梨英和大学 人間文化学部 准教授、日韓文化交流史(近代中心),異文化理解論専攻

 

4. フォーラム幹事会開催

2015年7月31日法政大学市谷キャンパスにて本フォーラム幹事会が開催されました。会議では 「韓日研究叢書」第1巻の刊行の件、会費徴収の件及び 今後の運営の件などについて協議が行われました。

 

5.外への窓

5-1 2015年9月12日に東洋学園大学本郷キャンパスで開催される、2015年度国際アジア共同体学会秋季大会 「北東アジアの平和構築をどう進めるかー和解と協力の道―」 に、本フォーラムが日本華人教授会と共に共催者となって参加することになりました。下記をご参照の上ご足労願えたら幸いです。

http://ksfj.jp/information/other/20150815/4184.html

 

5-2 民団中央本部裵哲恩民団新聞副編集局長から8月29日第192回記者・市民セミナーが故崔昌華牧師の長女崔善愛を招いて行われるとのご案内が来ておりますのでご案内申し上げます。

http://ksfj.jp/wp-content/uploads/20150829.pdf

 

 

韓国人研究者フォーラム事務局

info@ksfj.jp